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くすみの治療 ~ニードルRFについて~

[2023.12.12]

以前に「シミとくすみの違い」というブログを書きましたが、そこに追加です。

まず、私たち「黄色人種」は「くすみやすい」という性質があります。有名な「肝斑」という病気がありますが、これもタイやベトナム、韓国などアジア人では必発ですが、その他の白人・黒人などの多い欧米諸国ではあまり見られません。

これには、メラノサイトという「メラニンを作り出す細胞」の働きと「メラノサイトのいる環境」が関連します。

紫外線や慢性的な刺激(花粉・汗・過剰なスキンケアなど)で老化した皮膚組織は、様々な炎症成分(炎症性サイトカイン)を出すことが知られています。これらの炎症成分がメラノサイトを刺激し、メラニンを過剰に作り続けてしまう病態、これが「肝斑」です。

 

2008年ころから「トーニング」といって、低出力で色素レーザーを当てることで肝斑をよくするという治療方法が考案されました。メラノサイトに刺激を与えずに、メラノソーム(メラニンを含む顆粒)を壊し、メラノサイトの樹状突起を減弱させることができる画期的な方法です。「トーニング」は、アジアを中心に広く使われるようになりました。これにより、くすみの原因であるメラニンが減少し、またメラノソームをケラチノサイトに渡す機能を防除することができ、結果として肝斑を改善させます。

これはよい治療ですが、徐々に欠点も判明していきました。頻回にやりすぎると「医原性の白斑」を生じることがあるということ、また、超重症な肝斑では、より悪化させたりします。

注意してやるべき治療ですが、これらのデメリットを知らずに行っている美容医療者も多いようです。

現在、肝斑などの「くすみ」に高周波(RF:Radio frequency)が有効だという報告が注目されています。

極細い針を皮膚に刺し、適切な高周波を皮膚に流すことで、肌の再生機構の重要ポイントである「基底膜」を再生したり、メラニンの構造を変化させ、排出しやすくすることができます。

レーザーと違い、細胞を破壊させないので、より副作用や負担がなく行えます。

基本的な、肝斑治療である「スキンケアの見直し」「トラネキサム酸・ビタミン内服」「各種外用」に「ニードルRF」が今後、アジア人の肝斑治療を大きく変えていくことが予想されます。すでに世界では、この治療が主軸になってきています。

さらに、美容大国である、韓国では針で刺さずにRFを流し肝斑を改善させる方法もすでに確立されており、今後日本もその流れをくむと考えられます。

ニードルRFは様々な種類のデバイスがありますが、有名なところだと「ポテンツァ」「シルファーム」「エリシスセンス」などがあげられます。SNSなどで、聞いたことがある方も多いかもしれません。

これらは、設定によりその効果が変わります。にきび痕や毛穴に良いんじゃないの?赤みに良いんじゃないの?と少し美容をご存知の方なら思うかもしれません。

それは、すべて設定やどこをターゲットにするかで変わります。

ですので、「デバイス名」=「〇〇」によい

というような一対一の考え方は、誤解を生みやすいと思います。

ニードルRFの一つの効果として、肝斑があり、それが有効であると徐々に証明されている、というのが現状です。

現時点では、当院でもかなり有効性が実証できており、この治療を適応に合わせ、カスタマイズ治療に組み込んでいく方針です。

当院では、最新の知識をアップデートし、よりよい治療をご提供してまいります。

 

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